最近では高齢化社会の影響を受け病院ではなく老人ホームをはじめとする介護施設で働く看護師が増えてきています。そこで実際に看護師たちはどのような介護施設で働き、どのような役割を果たしているのかについて説明していきます。
一言で介護施設といってもその中で様々な分類があります。代表的なものとしては特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなどが挙げられます。実際、これらの施設での求人も多く見かけます。種類は他にもまだまだあり、介護老人保健施設や経費老人ホームなどもありますが、先に挙げた3つと比べると少し数は少なめです。もちろんそれぞれの施設には異なる役割、特徴がありますので働くならばそういった違いを知っておく方が間違いないでしょう。よく調べておかないと、実際に働き始めてから自分の中でイメージしていた仕事内容と異なり、ショックを受けるかもしれません。
病院で働いた経験がある人でも介護施設での仕事は未経験という人もいるでしょう。そのような人からすると、介護施設での看護師の仕事がどのようなものなのかあまりイメージが湧かないかもしれませんね。簡単に言うと、病院が医療行為に特化した施設であるのに対し、介護施設では入居者の食事、トイレの手伝いなど生活全体のサポートが主な仕事内容となります。もちろん、介護施設でも医療行為を行うこともありますが、病院に比べるとその範囲は限られたものとなります。このように病院と介護施設とでは同じ看護師としても求められるものが変わってくるということを理解しておく必要があります。特に介護施設では入居者の様々な手伝いをしなくてはなりませんから、気が利くことやコミュニケーション能力が求められます。これらの能力は同じ職場で働くスタッフと上手くやっていくためにも必要なことです。
より深く看護師と介護施設との関係を学ぶためには、実用的な書籍を読んでみるのがおすすめです。「高齢者看護の実践能力を育てる―高齢者ケア施設の看護をベースにして」は、まさに介護施設での看護師の果たすべき役割について把握できる内容となっています。具体的には、老年症候群やBPSD、看取りといったテーマに基づき、高齢者ケアならではの事例を挙げ看護の方法論について綴られています。これから介護施設で働こうと思っている人や、すでに老人ホームで働いているという人にとっても勉強になる良書です。特に、現在の働き方を見直したいと思っている人は、自分の看護を振り返るきっかけになるのではないでしょうか。