有料老人ホームは老人介護の目的もありますが、他の老人介護施設と違って、老人福祉施設ではありません。老人に生活サービスを提供することをメインにしているため、国からの規制も緩やかで運営母体もほとんどが民間です。そのため、他の老人介護施設と比べて優れている点がいくつかあります。それは、施設の環境や設備が整っており、しかも高い水準にあるということです。他の介護施設ではまだ取り入れられていない住環境における最新技術や看護の体制などが充実していて、入居者にとってもそこで働くスタッフにとっても快適な環境が保証されています。
また、施設内のセキュリティや安全管理もしっかりしており、衛生面に関しても通常の介護施設以上に気を使っている場合がほとんどです。というのも有料老人ホームは、その名の通り有料でしかも高額の場合もあり、入居者自身が質の高いサービスを求めているということも関係しています。そのように質の高いサービスを求められる分、看護師への給与も優遇されやすい傾向があります。
では有料老人ホームで看護師が果たすべき役割についてですが、バイタルチェックをはじめとする利用者の健康管理にかかわる業務を果たすのは他の介護施設で働く場合と同様です。ですが、入居者は高齢でも比較的健康な人が多く、他の介護施設と同種の仕事をするにしても看護師の負担が軽くなりやすいという特徴があります。また、提供するサービスの性質上、日勤が主となるので生活リズムを維持しやすく、スケジュールを立てる上でもそれほど困りません。ですから、私生活と仕事を両立させたいと考える看護師にとっては非常におすすめの職場と言えます。
有料老人ホームは看護師にとって働きやすい環境であるのは確かですが、だからといって大変なことが一切ないというわけではありません。他の介護施設で働く場合と同様に看護師は医療行為を行わなくてはならないこともありますし、緊急時の医師への連絡も正確に行わなければなりません。また、有料老人ホームでは先ほども触れたとおり質の高いサービスを求められますから、日頃の利用者のケアにも力を注がなくてはなりません。ただ、そういった大変さはどの介護施設でも言えることですし、それを踏まえても有料老人ホームが働きやすい環境であるのは確かですので過度に不安がる必要はないでしょう。それよりも条件が良い職場となるため求人の募集になかなか巡り会えないのが難点と言えます。